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謎だらけのアートワークを徹底解剖! カラスは真っ白×植草航×渡部謙介

ジャケットが3パターン変化するようにしたのは、今回の感情の変化を示したくて。(渡部)

— アートワークについても聞きたいんですけど、本当に仕掛け満載で。まずミニアルバムなのにスリーブケース付きなだけで驚きですけど、そのスリーブケースに穴の加工までしてあって。穴の部分にブックレットの表裏、プラケースの裏側を当てはめると、ジャケットが3パターンに変化するんですよね?

ジャケットのパターン変化 ジャケットのパターン変化
ジャケットのパターン変化

渡部:はい。スリーブケースだけだと不完全で、穴の部分に「I」がハマらないと「HIMITSU」っていう言葉にならないんです。3パターン変化するようにしたのは、今回の感情の変化を示したくて。それで、このくり抜いた部分にも、実はデザインが施してあるんです。もともと印刷会社のほうでも折れずにくり抜けるかわからないとのことだったので、破棄される前提だったんですけど、あわよくば回収したいなとひっそり思っていて、そしたら意外にしっかりした状態で戻ってきたんです。それは「HIMITSUの特典」として、一部の店舗で買った人にプレゼントします。

くり抜かれた部分
くり抜かれた部分

— それを当てはめれば答えがわかると。

シミズ:そうですね。答え合わせはそこで。

渡部:もし回収できてなかったら、印刷会社の方しか答えがわからなかったかも(笑)。

— ほかに気づいてほしい仕掛けは?

渡部:個人的に気に入ってるのが背景なんです。打ち合わせのときに「愛って何?」という話になったんですけど、「目には見えないけど、存在するもの」っていう扱いをしたくて。それをどう表現するかということで、ジャケットの背景は全部「I」で描いているんですよ。本当は目に入っているけど、全然気づけない。

渡部謙介

— そういう意味があったんだ! 確かに意識しないと気づかない。

渡部:普通に模様を見ても、単純に目が眩むとか、モアレ(模様が重なると起きる視覚効果)が起きるっていうイメージかなと思うんですけど、実はもう目に入っていて、答えが目の前にあったっていう。

— かっこいい! これは「愛=I」を意味する“9番目の「?」”を受けて、こういうデザインになったんですか?

シミズ:先に“9番目の「?」”がありました。それを「秘密」っていうコンセプトと掛けあわせて、こういうデザインになったんです。渡部さんは「これがリードトラックでしょ」って言ってましたけど(笑)。

カラスは真っ白

— 僕もぶっちゃけ、この曲がいちばん好きです。

ヤギヌマ:完全にコンセプトが固まった後に、そのコンセプトに基いて歌詞を作ったんです。

シミズ:コンセプトの中心になっている曲ではありますね。


前作よりも、ちょっと人間に近づいた気がするので、もうちょっと大人になっていきたいです。(ヤギヌマ)

— いろんな仕掛けが、全部コンセプトに帰結してるんですね。こういうアイデアはどうやって生まれているんですか?

渡部:やっていくなかで見つける感じなんですけど、ボツになったものもいっぱいあって。そのたびに新しいアイデアを持ち寄って、みんなで相談してました。あとは、よくタイヘイ君が全然違う視点から、「これポップじゃないですよね」とかって言うんですよ(笑)。けっこうウッとなるんですけど、そういうときにいいアイデアが浮かんだり、うまくバランスが取れるように改善できたりするので、ありがたいですね。

— さっき曲作りで共通意識を持たないと言っていた話に似てますね。

タイヘイ:ある程度客観的な目を持っていたいところもあるので、そういうところは意識しますね。

タイヘイ

渡部:作り方も少しずつ変化していて。最初の2作は、曲を聴いて僕がアウトプットしただけだったんです。前作の『おんそくメリーゴーランド』は、タイトル決めから参加させてもらって、どういうものになっていくのかっていう工程を知りながら作って。今回は制作期間がタイトだったので、どういう感覚でメンバーが作っているのかっていうのを先に聞くことから始めたんですよね。

— 作品を経るごとに、関係性が密接になっているんですね。

渡部:そうですね。今回はメンバーにヒアリングをしているときから、タイトなものになるっていうことと、キーカラーが白、黒、黄の3色になるという話を聞いていて。そこからよりシンプルに、ストレートだけど、ちゃんとヒネくれて伝えるというやり方を考えながら進めました。

渡部

— 確かにパッと見はシンプルですっきりしてますけど、背景にDNAの配列が隠されてたりとか、至るところでヒネくれてますよね。深読みすると全部に何か意味が隠されているんじゃないかと思っちゃうくらい。

渡部:そこは僕の狙うところでもあるんです。深読みしてほしいっていう。いままでの作品にもいろいろ隠れているので、ぜひ探してほしいですね。

— お話を聞いていると、どんどん進化している感じが伝わってきますけど、今後はどうなっていきそうですか?

ヤギヌマ:なんか前作よりも、ちょっと人間に近づいた気がするので、もうちょっと大人になっていきたいです。

ヤギヌマ

— 大人になっていきたい?

ヤギヌマ:なんだろう。大人ってなんですか?

シミズ:わからない(笑)。

— 自分的には今回でいろんなものが解放できた感はあるんですか?

ヤギヌマ:うーん、解放するのは恥ずかしかったので、隠した感じです。まだ解放しきってないと思います。解放しきったら「秘密」じゃないですし。

シミズ:でも、外から見ていてエモーショナルになっているとは感じるんです。彼女のスタンスとして、伝えたいっていう気持ちはありつつも、遠い存在でありたいと言い続けているんですよね。だからこそ見えない部分を残しておきたいと。土岐麻子さんのインタビューでも、同じようなことを言っていたのがあって。

シミズ

ヤギヌマ:うん。なんか、温度感とか距離感みたいな話をしてて。

— そのへんのせめぎあいがどうなっていくのかが、今後の鍵を握っているのかもしれないですね。ほかのみなさんは、今後についていかがですか?

シミズ:僕個人的には、次はカラフルにしたい。今回ソリッドにソリッドに、もっともっとという感じで凝縮していったんですけど、今度は逆に解き放ってみたいんです。これでもかっていうくらいカラフルな楽曲とアートワークとMVで、新たなカラスは真っ白を見せたいと思ってます。

渡部:これまでは意図したものをコンセプト立てて作ってきたものが多かったので、次はそんなものもぶち壊して発散したいですね。今回は制限を決めてグッと固めた作品なので、ここから弾け飛ぶようなものを作りたいなって思います。

— それは期待が膨らみます!

植草:いままで世界観を狭めて集約してきたものが、次はバッと広がるんだなぁと思うと、いちファンとしても楽しみですね。

ARTIST INFORMATION

カラスは真っ白

カラスは真っ白

2010年ヤギヌマカナ(Vo.Gt.) シミズコウヘイ(Gt.MC.) ヨシヤマ“グルービー”ジュン(Ba.) タイヘイ(Ds.)により結成。ヤギヌマカナ(Vo.Gt)のウィスパーボイスが奏でるシュールな世界観と、楽器隊のタイトでグルービーなファンキーサウンドの融合によるオリジナリティ溢れる楽曲が詰まった2012年1stミニアルバム『すぺくたくるごっこ』、2013年1stアルバム『かいじゅうばくはつごっこ』は、共にロングセラーを続けている。結成以来、徹底的に追及を続けるライブショーは全国各地のオーディエンスを魅了し、様々なバンドとの対バン、イベント出演を重ね、RADIO CRAZY2013やJOIN ALIVE 2014などフェス出演も果たし2014年6月4日にリリースした2ndミニアルバム『おんそくメリーゴーランド』も好評を得ている。そして、2015年1月14日待望の新作となる3rd MINI ALBUM『HIMITSU』のリリースが決定!これまで以上にエモーショナルに進化したヤギヌマカナが今まであまり表に出す事のなかった”感情”という”秘密”を解き放つ時、その先にあるものとは!本作でもカラスは真っ白?植草航のコラボレーションが実現!新作となる植草航が手掛けたリード曲「HIMITSUスパーク」のMVも公開中!
植草航(うえくさ わたる)

植草航(うえくさ わたる)

千葉県出身。2011年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻を修了。デルクール社発行バンドデシネ「シヤージュクロニクル外伝」に短編マンガ掲載、sasakure.UK 3rdアルバム「トンデモ未来空奏図」初回特典漫画制作、第40回「日本賞」ポスターイラスト制作、NHK Eテレ「テクネ 映像の教室」番組内コーナーにて映像作品「愛と死」を制作ほか活動歴多数。 大学院修了制作「やさしいマーチ」が第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞。現在はフリーランスのアニメーション作家、イラストレーターとして活動中。
渡部謙介(わたなべ けんすけ)

渡部謙介(わたなべ けんすけ)

カラスは真っ白結成当初から制作に携わり、CDやアーティスト写真、販促物などのアートワーク全般を担当。以降専属デザイナーとして、コンセプトワークやグッズ制作、WEBサイト運営などサポートは多岐に渡る。北海道札幌市出身。北海道工業大学情報デザイン学科卒業後、フリーのデザイナーとして活動。2013年株式会社リーツ設立。札幌を拠点にグラフィックデザイン、WEBサイト制作・運営などを行っている。

OTHER FEATURES