石橋英子インタビュー「世界を決定づける音」

生き物を扱うように音楽をできたらいいのになぁって思いますね。

— 今回のアルバムって前作から4か月くらいで出されましたよね。今が石橋さんにとっていい時期なのかなと思ったんですけど、実感としてはいかがでしょうか?

石橋:どうなんですかねぇ……。そんなにいい時期だとは思わないです。やらなくてはならないことが山ほどあります。でも私いますごく恵まれていて、バンドも素晴らしいメンバーがいるので、それに負けないように日々頑張る次第でございますね(笑)。次回作についても、今作と前品を録ったスタジオオーナーが、勝手に私の録音のスケジュールをおさえて、私はそのときまでに曲を作らなくちゃいけないという……(笑)。

— (笑)。石橋さんの音楽がすごく好きなんですね。今回、CINRA.STOREで音源を売らせていただくにあたって、未発表曲が1曲、特典としてつきますが、どんな曲でしょうか?

石橋:お友達に千木良悠子さんっていう演出家であり脚本家、女優、小説も書いてる方がいらっしゃって、その方が昨年やった演劇に生でピアノの演奏をつけたんです。そのときに作った曲ですね。

— それはどんな内容の演劇でしょうか?

石橋:死んだ人たちが自分の人生を語り始めて、それがところどころコラージュみたいになっていくっていう作品でしたね。

石橋英子

— これからもいろいろな曲を作りつつ、演劇をはじめコラボレーションをしていくってことを考えてらっしゃいますか?

石橋:その千木良さんの舞台がまた来年の1月にあるので、そのときはバンドで曲を作って演奏しようと思ってます。演劇だと、物語に音楽が動かされるのと、それ以上にそこにいる人間の顔の存在感が大きいというか。その人の体温を感じることで、やっぱり音楽って変わってくるので。稽古や公演を重ねるごとに、演奏がすごく変わっていって、面白い経験でした。

— そういった他の分野との交流を通して、音楽の生っぽい魅力がもっとたくさんの人に伝わっていったらいいですね。

石橋:そうですね。そしたら、音楽の現場はもっと有機的になるんじゃないかと思いますね。生き物を扱うように音楽をできたらいいのになぁって思いますね。消費文化のものだけじゃなく。次はバンドの作品かなと思っていますが、いろいろな作品を、形態に関わらずやってきたいとは思ってます。

— 今後どんなものを獲得していきたくて、何が楽しみでっていうイメージがあればぜひ。

石橋:音楽に関しても自分が知らないことがたくさんあるので、自分がやりたいことが見つかったらそれに忠実に、できないことをできるようにして、クリアしていきたいって思いますね。すごく地味なことしか言えないんですけど……(笑)。何かを獲得するのは後からついてくるものだから、日々、自分に足りないものを足りないって思える作業をしていけたらなと思ってますね。

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石橋英子

石橋英子

茂原市出身の音楽家。いくつかのバンドで活動後、映画音楽の制作をきっかけとして数年前よりソロとしての作品を作り始める。その後、5枚のソロアルバムをリリース。ピアノをメインとしながらドラム、フルート、ヴィブラフォン等も演奏するマルチプレイヤー。シンガーソングライターであり、セッションプレイヤー、プロデューサーと、石橋英子の肩書きでジャンルやフィールドを越え、漂いながら活動中。最近では七尾旅人、Phew、タテタカコ、長谷川健一、前野健太、トンチの作品に参加。また、ソロライブと共に、バンド「石橋英子withもう死んだ人たち(ジム・オルーク、須藤俊明、山本達久、波多野敦子)」としても活発にライブを行う。

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