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私たちは空を飛べないからこそ歩ける、チーナが見つけた真のHAPPY

今まで目指していたものが違うかもしれないと思ったときに、ネガティブではなく、これでもっと自由になれるし、着実に進んでいけると感じました。(椎名)

— 今回のアルバムは、1曲目の“シラバス”で<若者よ空は飛べないね>と歌っていたり、歌詞も印象的だったんですけど、どういう心境だったんですか?

椎名:どんどん大人になっていくと、積み重ねてきたいろんな感情もあるし、考え方も変わるじゃないですか。バンドの初期の頃は、とにかく前を向いて、真っ直ぐ歩いて行けば間違いないということを本気で思って歌っていたんですけど、実際は上手くいかないこともたくさんあるし、イメージしていたことが実現できなかったりする。それでも生きていかなきゃいけないと考えていくうちに、だんだん自分のなかの哲学みたいなものが変わってきて、それをちゃんと音楽として出したいなと思ったんです。

— すごい出てますよね。“シラバス”は、大学とかで使われる「シラバス」のことなんですか?

椎名:そうです。確か最初は「明るい未来計画」みたいなタイトルだったんですけど、それはそのまますぎるよねみたいな(笑)。

林:それで私が冗談で「“シラバス”でいいんじゃない?」って言ったら、「それがいい!」ってなって。

チーナ

— 椎名さんの哲学が変わって、曲ができたきっかけは?

椎名:『GRANVILLE』を作り終わって、これからどうしようかなっていうときに書いたんですけど、ちょうどまわりでバンドを辞める人が多くて。やっぱり30歳前後になるといろいろ考えるんですよね。今まで目指していたものが違うかもしれないと思ったときに、ネガティブではなく、これでもっと自由になれるし、着実に進んでいけるっていうことを感じたことがあって。私はこの曲を作ってから、すごく生きやすくなったんですよね。

— <君なら空も飛べる>みたいな曲はいっぱいあると思うんですけど、<空は飛べないね>っていう歌詞はちょっと衝撃で、グッときました。

椎名:空を飛べないのは当たり前だし、みんなわかっていると思うんですけど、どっかで「飛べるかもしれない」と思っちゃってたりするんですよね。私も「今なら空も飛べる!」みたいな気分のときもあるし、 “シラバス”は「本当に飛べないや」と思ったときに作ったんですけど、両方の気持ちがあっていいと思うんです。

— 飛べる曲と飛べない曲、両方あってもいい?

椎名:そのときの気持ちで作っちゃうから、曲によって言ってることが全然違うときはあって。あとから気づいて「まずいかなあ」と思うこともあるんですけど、それでいいかなと思って。

— 両方の気持ちがあることがリアルなわけですしね。自分の言ったことを覆すのは、簡単にできることじゃないですよ。面白かったのは、アルバム全体として目の前の現実感みたいなものがありつつ、最後の“コロファリオ”は自信に満ち溢れていて、すごくいい気持ちになって終われるんですよね。

椎名:曲順を決めるときも、全員一致で“コロファリオ”は最後しかないよねって。「これ聴いて、頑張ってください!」みたいな(笑)。

— 「それでいいじゃん」みたいな肯定的な感じがありますよね。

椎名:“コロファリオ”って私が勝手に作った言葉なんです。本当に意味がないものを表したかったというか。たとえば音楽だったら、何日もスタジオにこもって曲を作ったのに、それを全部使わなかったりする。一見それは意味がないことに思うけど、実はすごく意味のあることで。音楽に限らず、日常的にもそういうことってあるよなと思ってて。とてもポジティブなんですけど、“コロファリオ”っていうのはからっぽのものとかむなしさとかも全部乗り越えて、「いいよ」「それでやっていこう」みたいな意味もあるんです。

チーナ

— 歌詞に<理由なき自信>ってありますけど、歌から漂う自信にあふれる感じはどこから来てるんですか?

椎名:理由なくすごい自信があるときってありますよね? 理由なくものすごい落ち込むときもあるし、理由なくこれからすべてが上手くいくんじゃないかなと思うときがあったり。

— そういえば僕、1週間くらい前に、なんか5年くらいしたら大金持ちになってる気がしたんですよ。そう思った瞬間にすごい元気になって。そういうことですかね?

椎名:そういうことです。本当にそうです。なにも理由はいらないんです。

チーナには「真っ当な音楽を作る」っていうコンセプトがあって。それが伝わっているに違いないと。(林)

— 今回のアルバムには、交流のあるたくさんのアーティストがコメントを寄せていて、オフィシャルサイトでも紹介されてますけど、チーナはミュージシャンからもすごく愛されていますよね。どういう部分が愛される理由だと思いますか?

リーダー:ちょっと強気な発言に聞こえちゃうかもしれないですけど、あんまり普通じゃないからだと思います。曲も、歌も。「あー、いるよね、こういう感じのバンド」ってならない自信はあります。

林:チーナには「真っ当な音楽を作る」っていうコンセプトがあって。それが伝わっているに違いないと。

— 「真っ当」というのは?

リーダー:常にウソはつきたくないと思ってます。そこで僕はメンバーに迷惑をかけるんですけど。嫌だと思うことは言っちゃうんですよ。

チーナ

椎名:本当に言うんですよね、結構ねぇ……。

林:ほんと怖いんです、最近(笑)。

リーダー:でも、そこで妥協した音楽を出すのは違うと思っちゃうんですよね。

椎名:リーダーもわがままだし、他のみんなもわがままなんですよ。今回の『DOCCI』も、かなりのケンカを積み重ねて作ったので(笑)。

リーダー:そういう意味では、真っ当に音楽と向き合うことができてるのかなと思いますね。

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チーナ

チーナ

ピアノヴォーカル、ヴァイオリン、コントラバス、ギター兼マイクロコルグ、ドラムの5人から成る独特の個性を放つグループ。ポップス/クラシック/ロック/オーガニックといった要素を自由に操りオーケストラルな音が印象的で唯一無二の境地に達している。アコースティックな楽器編成だが枠にとらわれずダイナミックなサウンドから繊細な表現まで多様な演奏を得意とし、変幻自在かつ緻密な音楽性で独特な視点で捉えた歌詞やメロディーが特徴。ライブパフォーマンスもパワフルでハッピーでポップな「チーナ」の音楽世界を表現している。2012年7月に発売されたアルバム『GRANVILLE』に収録されている“アンドロイド”が、映画『まだ、人間』の主題歌に抜擢され、注目を集める。2013年5月にはmouse on the keys、きのこ帝国等とカナダツアーを行いチケットはソールドアウト。

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