DJ BAKUインタビュー 震災でさらに加速する「邂逅」

今は素直に「日本が好きです」って言えますね。

— Shing02さんは『JapOneEra』というタイトルに反応したということでしたが、Shing02さんも独自の視点で常に「日本」を表現していますし、BAKUさんもこれまで常に「日本」を意識されてきていますよね。

BAKU:やっぱり今回は、「震災後の初めてのアルバム」っていうのが大きいですね。当時はミュージシャンの人みんなサバイブしてる感があったというか、「どうすんの? これから」って感じがあったと思うんです。歌の内容も「こんなときにただ明るいのとか出せなくない?」みたいのもあったし、かといって、これまでと同じ内容を出すのがいいのか、難しいなって。

— 何を出しても、震災っていうフィルターを通して見られちゃいますからね。

BAKU:絶対そうじゃないですか? そういう意味もタイトルには込められてて、「みんながひとつの気持ちになった時代が来た」っていう、だから「Jap」「One」「Era」なんです。

— 震災が起きて、西に移住する人も多かったと思うんですけど、BAKUさんは悩みませんでした?

BAKU:友達でも西に行った人もいるし、自分も悩みましたけど、僕は東京から離れるのは無理だと思いましたね。むしろ、人が多くて嫌な街だなって思ってたつもりなんですけど、いざ「離れるの? どうするの?」ってなったときに、一人になってもずっと東京にいるなって思ったんです。だから外国に住むっていうのも、相当なことが起きない限りないっすね。

— 東京や日本への思いを再確認したんですね。

BAKU:そうですね。やっぱりDJやってて得したのは、いろんなところに行けることだと思うんですよ。日本全国行って、いろんな人に会って、ライブして、飯食って、温泉行ったりとか(笑)、日本が肌に合ってるとしか思えなくて。それで自然に、「日本」っていうのを出そうと思いましたね。まあ、『JAPADAPTA』とか『THE 12JAPS』とか、ずっと日本タイトルみたいのが続いちゃってるんでしつこいかなとも思ったんですけど、素直にやったらこうなったっていうか。あんまり言い過ぎると「右翼っぽいな」とか思いますけど(笑)、今は素直に「日本が好きです」って言えますね。

もっと知らないことをやってみないと、まだ俺は何も言えないなって思って。

— 震災後の表現ということに関しては、どんなことを考えましたか?

BAKU:自分のやってることって、もともと「壊そうぜ」みたいな、そういう曲が多かったから、実際にいろいろ壊れちゃったときに、「そのままじゃ出せないな」っていうのはありましたね。「やってやる」みたいなのはちょっと違うっていうか、難しいなって。でも今は、別の意味で「みんなでやろうぜ」っていう感じになってて、それはいいことだと思ってます。

— 「ジャンルの壁を壊す」という意味に、「現代の閉塞感を打破する」という意味での「壊す」が加わったというか。

BAKU:そう、やっぱり周りのみんながいろいろ頑張ってるのを見て、「これは東京から離れられないな」っていうのもあったっすね。「俺は何やってんだ?」って。

— でも、ボランティアや政治活動をするのではなく、自分に大事なのは音楽を作ることだと思った?

BAKU:そうっすね……うーん、かといって歌を歌えるわけじゃないし、メッセージの伝え方も難しいから、何をどうしたらいいのかっていうのは正直ありました。なので、とりあえずはもっと人と会って、話を聞こうと思ってましたね。アニソンのプレイとかもそうですけど、もっと知らないことをやってみないと、まだ俺は何も言えないなって思って。

djbaku

— 今回のリリースツアーって、全国約30か所を回られるじゃないですか? これは日本を見つめ直すということだったり、もっといろんな人の声を聞きたいということの表れだったりするのでしょうか?

BAKU:これは単純に5年空いちゃってるんでっていうのが大きいんですけど……でも、東名阪だけとかにしようとは思わなかったですね。できるだけ細かいところにも行って、話を聞いてみたいっていうのはありました。

— 地震はアルバムの音楽性にも影響を与えていますか?

BAKU:明るい方向に行きたいっていうのはありました。基本音楽はエンターテイメントで楽しいものだから、放射能について歌ってる曲とかって、面白くラガマフィンにしてるとかだったらいいんですけど、そうじゃなかったら、別に聴きたいとも思わないし。それよりも、テンション上げていきたいっていうのはありましたね。

— N’夙川BOYSが参加した曲とか、ブローステップっぽい曲とか、確かにテンション高いですよね。

BAKU:でも、俺まだ暗いと思ってて、次はもっと明るくしたいですね。今改めてTHE CHEMICAL BROTHERSとかDAFT PUNKとかがやっぱりいいなと思うんで、もっとBPMも上げたいし、フェスとか、もっと広いとこでもやりたいし。もちろん、ラップの人と小さいとこでやるのも好きなんですけど、アーティストとしてはフェスみたいなところも目指したいっていうのはあって、最近だとSKRILLEXとか、彼はラガとかラップを取り入れる広さも持ってますし、ああいうスタンスが一番やりたいですね。

— そう思うようになったのって、ご自身で『KAIKOO POPWAVE FESTIVAL』をやってこられたことも大きいですか?

BAKU:それもありますね。『KAIKOO』をどんどんでかくしたところで、自分の曲がそっち向きじゃなかったら、合わないですもんね。『KAIKOO』が大きくなるんだったら、俺も大きい音にしようっていうか、みんなで踊れるものとかをやっていきたいし、THE PRODIGYとかもすごい好きなんで、ああいう人たちに憧れますね。

— 今回のツアーでは東京と神戸が「KAIKOO」の名を冠したリリースパーティーになっているわけですが、『KAIKOO POPWAVE FESTIVAL』に関しては、今後どうお考えですか?

BAKU:あれに関しては社長ありきなので、今年は時間的に無理かなって思うんですけど、来年どうするかですね。あの規模はやっぱ俺一人じゃ無理なんで。

— BAKUさんの曲がフェス向きなサウンドに変化していったら、やっぱりそれを『KAIKOO POPWAVE FESTIVAL』で聴きたいなっていうのはあるんですよね。

BAKU:そうですよね。そう思ってもらえたら嬉しいですね。

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BRAND INFORMATION

DJ BAKU(でぃーじぇー ばく)

DJ BAKU(でぃーじぇー ばく)

1978年東京生まれ。DJ/トラックメイカー/プロデューサー/ターンテーブリスト。16歳のころにDJのキャリアをスタートさせる。近年は、いとうせいこうや七尾旅人とのコラボレーション、渋谷慶一朗ややくしまるえつこ(相対性理論)の楽曲のリミックス、KYONO (ex. THE MAD CAPSULE MARKETS) とのユニットの結成、アニソンDJ、ブローステップやダブステップを取り入れたDJプレイなど、ジャンルを越境した活動をますます積極的に行っている。また、韓国、台湾、フランス、ロシア、オーストラリア、ニュージーランドなどにも招聘され、海外のDJやラッパー、バンドらとも交流し国際的な活動も展開している。

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