Gentle Forest Jazz Bandインタビュー ふざけているのではない。指揮者が指揮をしない理由

僕としては、バンドメンバーではなくてお客さんを指揮する感覚でやってますね。日本人は、いま自分が観ているものが正しいのかどうか、不安になるじゃないですか。

— 久保田さんは、なぜジェントルで指揮者をやろうと思ったんですか?

久保田:基本的にジャズって難しい顔しながら演奏している人が多くて、楽しい曲をやっていても、みんながっつり譜面見ていたりするんですよ。だから、そこで演奏されている音楽の面白さを伝える人がいないとダメだなと思って。それで僕はときどきトロンボーンを吹くだけにして、基本は指揮をしたり、踊ったり、「もっと楽しもうぜ」っていうことを示す役目をやろうと思ったんです。

— そもそもビッグバンドに指揮者は必要なんですか?

久保田:必要ないですね(笑)。でも、キャブ・キャロウェイ(アメリカ出身のジャズシンガー、ビッグバンドのリーダー)とか、アメリカには歌いながら指揮棒を持っている人が意外といて、面白いなと思ってたんです。そもそも当時はトロンボーンを始めて5~6年でしたから、そんなうまくもなかったし(笑)、演奏はうまい人にやってもらって、僕はときどき吹くくらいのスタンスがちょうどいいかなって。

— ライブを観て面白いなと思ったのは、メンバーはほとんど久保田さんを見ないじゃないですか(笑)。普通、指揮者はプレイヤーが見るものだと思うんですけど、久保田さんはお客さんに顔を向けながらタクトを振っているのが斬新で。「お客さん、こっち見て!」みたいな感じですよね。

久保田:僕としては、バンドメンバーではなくてお客さんを指揮する感覚でやってますね。「いまここを観ると面白いよ」とか、「いまこういうことが行なわれてますよ」とか、そういうのを伝える人がいると観るほうも楽しめると思うんです。21人もプレイヤーがいると、どこを観ていいのかわからない人もいるだろうし、日本人はいま自分が観ているものが正しいのかどうか不安になるじゃないですか。

Gentle Forest Jazz Band

— たしかに。示してくれる人がいると、詳しくない人でも観やすいですよね。それと、あんなに人数がいるのに、全員に見せ場があるのがすごいなと思いました。本当に飽きがこないというか、常にどこか観る場所があって。ご飯を注文してたんですけど、食べる暇がなかったです(笑)。

久保田:うれしいですけど、そこは食べちゃっていいんですよ。昔のアメリカのビッグバンドのCDを聴いていると、食器をカチャカチャする音がうるさいくらいで。お客さんの笑い声とか、話し声とかも入っていて、その中でビッグバンドが演奏しているんです。「ジャズ」とか「ビックバンド」というと、どうしてもかしこまった感じで観る人が多いんですけど、そういう楽しみ方がもっと浸透すればいいなと思いますね。

結局ジャズって、もう出尽くしているじゃないですか。ロックもそうだと思いますけど。

— ジェントルの楽曲自体も、「ジャズ」のかしこまった感じを崩すようなものが多いですよね。

久保田:そうですね。ジャズはスタンダードと呼ばれる昔の名曲をやるのが普通で、あんまりオリジナルは作らないんです。だから、最初は僕たちもカバーばっかりだったんですけど、もともと僕らもロックとかを聴いて育ったから、「真似するだけなのはおかしくない?」みたいな気持ちがあったんですよ。ジャズファンに聴かせるだけなら、それでもいいかもしれないけど、やっぱりジャズを知らない人たちや、いろんなジャンルを聴いている人たちにも届けたいと思ったときに、自分たちで組み立てたものを出したほうがいいよねって。

Gentle Forest Jazz Band

— 曲作りは久保田さんが中心になってやっているんですか?

久保田:主に僕と、在日ファンクでもトランペットを吹いている村上基が一緒にやってますね。彼が音楽的なところをまとめてくれるんですけど、僕はそれに対して「そこつまんないから、もうちょっと面白くしてくれ」って言います(笑)。

— 曲はどんな感じで作るんですか? こういう要素を入れたいとか、テーマみたいなものが先にあるのかなと思ったんですけど。

久保田:だいたい「昔のバンドのこの部分を取り入れたら面白いんじゃないか」とか、そんなことを言ってますね。特に今回のアルバムに関して言えば、全部1930~40年代の技術を参考にしているんですよ。例えば“いつも被ってる The ブルース”では、ミュート(金管楽器の先につける弱音器)を被せていろんな音を出しているんですけど、それも1930年代くらいからジャズを作ってきた人たちが、他の人と違う音を出すために試行錯誤してきたやり方なんです。

Gentle Forest Jazz Band

— “いつも被ってる The ブルース”は、ライブでミュートを装着しているのを観て、「あ、そういう意味の『被ってる』だったのか!」って思いました(笑)。

久保田:CDの音だけだとわからないですよね。結局ああいう音が他の楽器に反映されて、例えばギターのエフェクターになったりしているのに、僕らはエフェクターのほうを先に知っちゃってますからね。

— それが新しく感じるっていうのは面白いですね。

久保田:僕らがやりたいことは、デューク・エリントン・オーケストラ(1920年代に結成し、創設者が逝去した今も続いている、歴史あるビッグバンド)とか、カウント・ベイシー・オーケストラ(1936年に発足し、シナトラなどの歌手のサポートも行ってきたビッグバンド)とかのように、ポップでわかりやすいけど力強い感じなんです。「マジメに」とか「うまい」とかよりも、いまの人たちが、昔の技術をいかに勢いよく面白く表現できるかがジェントルのポイントですね。“Like a “D””はデューク・エリントンの「D」なんですけど、これも完全にオマージュなんですよ。

— 打楽器をたくさん使ってる曲ですよね。ライブでメンバーがいきなり打楽器を持ちだしてビックリしました。

久保田:これも昔のライブ映像で、ビッグバンドなのに、なぜか全員パーカッションをやっているのを見たんですよ。そういう昔の面白いところを引っ張ってきて、組み合わせているんです。結局ジャズって、もう出尽くしているじゃないですか。ロックもそうだと思いますけど。それに、僕らみたいなビッグバンドはコンテンポラリーでもないし、昔からのスウィングを受け継いだ上で、いま見ても面白いと思ってもらえることをいかに僕らのスタイルでやるかが大事ですよね。

トートバッグL「GFJBトート」

トートバッグL「GFJBトート」

Gentle Forest Jazz Band
¥3,024
トートバッグS「GFJBトート」

トートバッグS「GFJBトート」

Gentle Forest Jazz Band
¥1,944
Gentle Forest Jazz Band『スリリング・ザ・バンド』(CD)

Gentle Forest Jazz Band『スリリング・ザ・バンド』(CD)

2015年3月25日(水)発売
価格:2,592円(税込)
MR-024
1. Tuning
2. スリリング・ザ・バンド
3. いつも被ってる The ブルース
4. パパフリフリ
5. Like a “D”
6. Oh! Heat's On
7. だけど二人で
8. Gentle Sisters Boogie
9. 傘がなくて
10. あなたの立場
11. “情”Backstage

イベント情報

『Gentle Forest Jazz Band 10th Anniversary スリリング・ザ・スペシャル・パーティ』
2015年6月20日(土)
[1] OPEN 15:30 / START 16:30
[2] OPEN 19:00 / START 20:00
会場:東京都 青山CAY
出演:
Gentle Forest Jazz Band
w/ Come Back Vo 浜野謙太
ASA-CHANG
akiko
敷島a,k,a浦風親方(DJ)
料金:テーブル席 4,000円 / スタンディング 3,500円(ドリンク別)

BRAND INFORMATION

Gentle Forest Jazz Band(じぇんとる ふぉれすと じゃず ばんど)

Gentle Forest Jazz Band(じぇんとる ふぉれすと じゃず ばんど)

リーダー&トロンボーンのジェントル久保田が指揮する、総勢21人から成るビッグバンド。2005年結成。踊れるスウィングジャズに「今」の要素を盛り込み、ダンサーは勿論ロック好きから演歌ファンまでも虜にする新たなエンターテイメントを展開。どこか懐かしくも底抜けに楽しいスウィングを武器に、専門家や愛好家の物になってしまったジャズをもう一度キッズ達の手に取り戻すべく突き進んでいる。17人のオーケストラと3人組女性ヴォーカル「Gentle Forest Sisters」、人力の音圧と笑い溢れるステージは見る人の鼓動を打ち、ウキウキ心を燃え上がらせる!!

OTHER FEATURES