sleepy.abインタビュー

メジャーを離れても、メンバーが脱退しても、変わらない。
彼らはこれからも、音の力で新しい風景を作り出すー。

インタビュー・テキスト:柴那典 撮影:柏井万作(2013/2/6)

脳と宇宙は、同じ構造をしているー。
新作アルバム『neuron』は、そんな神秘的なイメージに触発されて作られた一枚。テーマは「脳内宇宙」。とても、sleepy.abらしい発想だと思う。幾重にも折り重なるサウンドと透明な歌声で、夢見心地の境地に至る音楽が奏でられている。音の力で別世界を描き出し、聴き手をその風景の中に連れていくバンドだ。
ここ数年、海外ではそういう夢想的なタイプの音楽が脚光を浴び、チルウェイヴとかドリームポップなんて言葉で語られたりもしていた。けれど、そういうシーンの流行り廃りとも関係なく、札幌を拠点に、自分たちだけの幻想をマイペースに描き続けてきたのが彼らだ。新作は、そういうバンドの美学がかつてなく強い感情の喚起力を持って響くアルバムになっている。
前作『Mother Goose』以降、メジャーレーベルを離れ、結成以来のメンバーである津波秀樹(Dr)が脱退するなど、様々な転機を迎えていた彼ら。試練の時期を経て、今何を見ているのかを、成山剛(Vo,Gt)に語ってもらった。

男らしく、ギラギラしようと思ってました。

— このアルバムの「脳内宇宙」というテーマはどこからどういう風に生まれていったんでしょう?

成山:もともと”アンドロメダ”という曲がきっかけになったんです。そこから宇宙っぽいもの、重力と無重力、浮遊感のイメージが強くなって、“euphoria”のような曲もできていって。アンドロメダ星雲の写真と、人間の神経細胞の写真って、酷似しているんですよね。それで「人間の脳の中が宇宙だ」みたいな、そういうことを思って。そこにすごくロマンを感じて。

— ワクワクしますよね。

成山:そう。それでイメージがどんどん膨らんでいったんですよ。

— “アンドロメダ”という曲はシングルでもリリースしていましたよね。この曲で「宇宙」というキーワードが生まれてきたのは、どういうところがきっかけだったんですか?

成山:もともと山内(Gt)が作ってきたオケがあったんですけど、浮遊感がある中に重苦しさがあって、そこに「重力」を感じたんです。それと、仮の歌詞を書いたときに「アンドロメダみたい」という言葉がふっと出てきて。

— なぜ「アンドロメダ」という名詞が出てきたんでしょうか?

成山:理由はわからないんですけど、ここまでのメジャー2作は、考えて歌詞を書いていた部分があったんです。でも今回はそうじゃなくて、イメージでふっと書いていたものを膨らませるみたいなことをやってみようと思ったんですよね。突破口として面白いと思って。

— 歌詞と音のイメージがリンクしていた。

成山:そうですね。今回は音に対してのイメージで書いているので、今までになく音とのリンクはあると思います。

sleepy.ab

— では、サウンドを作っていくときに目指していたのは、どんな方向性だったんでしょう?

成山:もうちょっと男らしくとか、汚そうとか、そういう話はしてました。ちょっとアダルトな感じになっているような気がしたので、もっとギラギラさせようっていう。

— それは今までにない変化ですよね。

成山:そうなんです。だから“euphoria”みたいな曲ができたという。

— “euphoria”は激しいギターが印象的ですけれども。男らしくギラギラしたものがやりたくなった理由というのは?

成山:sleepy.abって、ポップと深い音楽性を両立させたいというバンドではあるんだけど、それが中途半端になってしまうと嫌なんですよ。よく言うとバランスがいいけど、悪く言うと中途半端になる。その加減の確認はあって。どういう音がいいとか、みんなで話したのを覚えています。

— たとえば4曲目の“undo”も、あえて音を汚しているような曲ですよね。

成山:そうですね。あえて音を悪くしてます。“ハーメルン”も綺麗な曲だけど、わざと汚したところがあって。音がいいかどうかより、その音を好きかどうかにこだわったというのはあります。

— というのは?

成山:山内って、「ワルい音」が好きなんですよ(笑)。だから好きにやらせると、どんどん悪くなる。今回は揺らぎが音作りのテーマのひとつなんですけど、トレモロを多用してたり、かなり極端に、ワルく揺らしてますね(笑)。

— 「揺らぎ」が音作りのテーマになったというのは?

成山:ちょっとギザギザに作っておけば丸くならないだろうという、山内なりの計算があったんですよ。綺麗に作ろうと思ったら綺麗になっちゃうというのがあったんで。

— 綺麗な方向には行きたくなかったということ?

成山:そうですね。ちょっとヒリヒリさせたいというのはありました。

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BRAND INFORMATION

sleepy.ab(スリーピー)

sleepy.ab(スリーピー)

札幌在住の3ピース・バンド。接尾語の"ab"が示す通りabstract=抽象的で曖昧な世界 がトラック、リリックに浮遊している。シンプルに美しいメロディ、声、内に向かったリリック、空間を飛び交うサウンド・スケープが3人の"absolute" な音世界をすでに確立している。FUJI ROCK FES., SUMMER SONIC,ROCK IN JAPAN,ARABAKI ROCK FES, RISING SUN ROCK FES,RUSH BALL,JOIN ALIVEなどの大型フェスにも出演。

『neuron tour』
4/11(木)金沢 vanvan V4
4/13(土)名古屋 APOLLO THEATER
4/14(日)大阪 JANUS *自由席
4/16(火)福岡 VIVRE HALL
4/17(水)岡山 Crazymama 2nd Room
4/20(土)東京 キネマ倶楽部
4/21(日)東京 キネマ倶楽部
5/06(祝)札幌 PENNY LANE 24
5/10(金)仙台 HooK

OTHER FEATURES